第1話 太鼓に必要なのはセンス?体力?

第1章  素質がある奴が上達するとは限らない(はじめに)

第1話 太鼓に必要なのはセンス?体力?


太鼓を始めて15年が経ちます。

その間,太鼓を始めたいと言って会に入ってくる人を,たくさん見てきました。



「お,この人はパワーありそうでいいかなあ」と思う人が,

意外に不格好な打ち方だったり,

「この人はセンスいいなあ」と思う人に限って,すぐに辞めてしまったり,

逆に,華奢で,とても太鼓打ちに向かないと思う体型の人や,

何回教えても一向に上達しないおじさんなどが,

1年もすると,見違えるくらい綺麗なフォームで太鼓を打っていたりします。



太鼓には,音楽的な要素とスポーツ的な要素があると思いますが,

その両方を兼ね備えた人というのは,意外に少ないものです。

一般的に,音楽的なセンスのある人というのは,虚弱体質のインテリに多く,

スポーツ大好きな人には,性格的に大ざっぱな人が多い,といった具合です。



別に,どちらが良い悪いと言っているのではありません。

太鼓に向いた素質に恵まれた人というのは,滅多にいないということです。

裏を返せば,誰にでも,太鼓の花形スターになれるチャンスがあるということです。



筋力のある人は,その筋力に任せて打とうとします。

結果,綺麗な打法にはなりません。

音楽センスのある人は,アッという間に太鼓のリズムを拾得しますが,

飽きるのも早いようです。 



太鼓には,「下手の横好き」「好きこそ物の上手慣れ」という言葉がピッタリです。



太鼓というのは,まだまだマイナーですから,

打てる機会に巡り会えただけでも幸運です。

せっかく太鼓に巡りあったのですから,

一生懸命,地道にコツコツ頑張りましょう。
                                                     
(2006年10月2日) 
                                          → 第2話 継続は力なり