第9話 バチはムチの如く振る

第3章 太鼓を打つだけが練習じゃない(練習方法)

第9話 バチはムチの如く振る
 
バチを振る感覚としては,剣道の「面!」を打つような感覚でしょうか? 
腕の振りは鼓面に向かって真っ直ぐに縦です。
手首の振りもラケットを振る時のような横のスナップではなく縦のスナップです。
 
人間の腕には肩,肘,手首に関節がありますね。
バチを握ると指とバチとの間に第4の関節ができます。
細かいリズムを打つ時には主に手首とこの第4の関節を使います。
肘,肩を使うのは大きな動作が必要な時だけです。
 
「太鼓は5で打ち5で引け」と言います。
打つ動作を10とした場合,
5の瞬間で打って,その5の瞬間には引けということで,
すなわち鋭く打てという意味です。
 
そのためには手首のスナップが重要になります。
手首のスナップを利かせて打てるようになると,
バチの先端の軌跡は,打つ時は自分に近いほうを,
打ち終わって返るときには自分から遠いほうを移動します。
横から見るとバチの先端の軌跡がちょっと歪んだ涙型にする筈です。
 
大きな動作で打つ時も手首のスナップが重要なのは同じです。
スナップが利かないとロボットのような打ち方になってしまいます。
ムチをイメージしましょう(蝋燭はいらないよ・・・アレ?)。
肩,肘を使って腕全体を上手にしならせ,
インパクトの瞬間にバシッとスナップを利かせるわけです。
 
慣れないうちは,バチが手からすっ飛んでしまいそうになりますが,これも慣れです。
練習してくるうちにバチが手にしっくり馴染むようになります。
バチが手に一部になるまで練習あるのみです。

(2006年11月27日)
              →第10話 バチに「こだわり」と愛情を!