第10話 バチに「こだわり」と愛情を!

第3章 太鼓を打つだけが練習じゃない(練習方法)

第10話 バチに「こだわり」と愛情を! 
 
バチの話が続いたので,ついでにバチの種類についてです。
 
バチにもいろいろな種類がありますね。
一般的には締太鼓を打つ時には細いバチ,
中太鼓を打つには太いバチが使われます。
1.4~2尺程度の中太鼓を打つには
直径3cm,長さ40cm程度のストレートのバチが一般的ですが,
例えば,三宅では形を見せるために長さ50-60cmの長いバチ,
秩父屋台囃子では力強さを出すために
先端の直径が5-7cmもある太いバチ,
アップテンポに打つために長さが20cmくらいの短いバチを使う曲もあります。
 
一般的に,太く重いバチで打てば音も重く,
細く軽いバチで打てば音も軽くなります。
太鼓の大きさや曲想に合わせてバチを変える必要があるということです。
打ち手の体格や体力も配慮する必要がありますね。
バチの長さが2cm違えば,振った感触は全く違います。
自分に合ったMyバチを持つことをお勧めします。
 
私がソロの演奏会で5曲演奏する時,使うバチは5曲とも違います。
バチ袋が大きくなる一方で困ったちゃんです。
それでいて土鼓ゐで皆と一緒に中太鼓を演奏しようとすると,
それに適したバチが1組も無いのですから,
「俺って,なんて個性的?」(笑)。
 
バチの材質によっても全然違います。
一番丈夫で重いのは樫のバチです。
フチ打ちを多用する曲では重宝されているようですが,
私はあまり好きではありません。
材質が堅すぎて太鼓が傷みます。
同じ重さのバチを振るなら,
ちょっとでも太いバチのほうが見栄えがすると思うのですが・・・。
 
太いバチで高級なのは檜です。
よく,伸し棒として売っている朴(ほう)も良いです。
できるだけ木目のはっきりしない木材が良いようです。
木目ははっきりした木は,木目沿いに剥がれ易いのです。
 
それで,汚れたり凹んだりしたバチはどうするか? 
一緒にお風呂に入れて中性洗剤で洗ってあげて下さい。凹んだ傷も治ります。 

(2006年12月4日)
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