第7話 覚える順番は口,手,体の順

第3章 太鼓を打つだけが練習じゃない(練習方法)

第7話 覚える順番は口,手,体の順
 
新しい曲を覚えようとする時,
いきなり太鼓を打ちながらの練習をする処もありますが,
あれはあまり関心しませんね。
特に初心者の場合は,太鼓を打つことに神経が行ってしまって,
曲を覚えるという作業が疎かになってしまうからです。
 
最初は太鼓もバチもいりません。まずは口で覚えましょう。
伝統の口唱歌(くちしょうが)という手法です。
「どんどんカッカ」大きな声で言いましょう。
皆で練習すると念仏みたいでちょっと恥ずかしいですが,
この練習は非常に大切です。
 
普通の歌には,リズム・音程・歌詞がありますが,
太鼓の場合はリズムだけです。
理論上は,歌を覚えるよりも遙かに簡単な筈なのですが,実はさにあらず。
歌には,意味を持った歌詞があるから頭に入り易いんです。
太鼓のリズムには意味が無いから,
今の今まで練習していたリズムを,コロッと忘れてしまったりします。
 
ですから,口唱歌は,もううんざりするくらい徹底的に練習しましょう。
まあ,100回くらい繰り返したら,たいがいの人は覚えるかな。
特に大きな声で練習したほうが良いです。 
 
口で正確に言えるようになったら,手で膝を叩きましょう。
この時点でも太鼓は不要です。
太鼓を打つには当然のことながら右手と左手があります。
太鼓の曲は1打1打をどちらの手で打つか決まっています。
音的にはどちらで打っても同じですが,
皆で揃い打ちした時に揃っていないのは変です。
また,曲の途中でポーズを決めたりしますので,
手が逆だとそれが出来なくなります。
この手で膝を叩く練習は,
もう何も考えないでも手はかってに動くくらいまで練習して下さい。
手に力を入れると青あざを作ることになるので,ご注意を。
 
そこまで出来たら,ついにバチと太鼓の出番です。
まずはリズム重視で太鼓を打ってみましょう。
ドンとなった拍子にリズムを忘れてしまったりしますから,
まずは,軽いタッチでリズム重視です。
慣れてきたら,除々に振りを大きく,
音の強弱を意識して,姿勢を意識して・・・と続き,
最終的には全身で覚えるようにします。 

(2006年11月13日)
                                           →第8話 バチを握る