第19話 ソロは難しい

第5章 ソロを目指して

第19話 ソロは難しい

ソロは難しいんです。何が難しいかというと・・・
 
①お手本が無い:
太鼓の曲のベースは何と言ってもお囃子です。
大太鼓に小太鼓,笛に鉦というのがパターンです。
どんなに少人数で演奏する曲でも必ず表打ちと裏打ちのパートが存在します。
プロにはソロ奏者がいますが,とても素人がマネの出来る奏法ではありません。
ですから,必然的にソロの曲は自作するしかないんです。
 
②バチが止まれない:
裏打ちがいないということは,
バチの動きが止まったら,そこで曲が終わってしまうということなのです。
これまで,形を見せる太鼓に拘ってきた私にとっては,
これは大きな壁でした。
なにしろ,エイヤッとバチを決めると音もそこで止まってしまうのですから。
 
③1発のミスが致命的:
裏打ちがあれば,表は多少失敗しても曲は止まりません。
表が複数人いれば尚更です。
ところが1人だと,1打の失敗が致命的です。
そこで曲が切れるし,「あっ失敗したな!」ってのが直ぐにばれてしまいます。
 
④体力勝負:
交替要員がいないというのは体力的に辛いです。
前にも書きましたが,私は虚弱体質なのです。
3,4曲打つともうぐったり・・・
 
⑤「一人じゃ淋しい」という偏見:
演奏依頼の話があって,
相手「何人来てくれるの?」,
私「一人です」,
相手「一人の演奏じゃ,いくらなんでも淋しいんじゃないの?」
ってことで,ボツになることも多いです。
ソロの演奏者ってほんとマイナーだから,分かってもらえないんです・・・トホホ。

(2007年2月5日)
                 →第20話 ソロの魅力