第21話 太鼓の値段の怪

第6章 太鼓を作る

第21話 太鼓の値段の怪
 
太鼓の値段には面白い法則がある。
太鼓の大きさは鼓面の直径で示されます。
一般的な大きさの1尺5寸から2尺5寸くらいまでの範囲であれば,
直径が4寸(12cm)大きくなると,太鼓の値段は倍になる。
最も高級とされるケヤキのくり抜きの長胴太鼓だと,
1尺7寸で100万円,2尺1寸で200万円,
2尺5寸では400万円てな具合です。
 
二級品の目有り胴や栓などの胴でケヤキの6~7割,
張り合わせの胴やプラスチック胴などでもせいぜい半額ってとこでしょうか。
ロープ締めの桶胴太鼓だと,くり抜きの長胴太鼓よりもかなり安い。
でも,桶胴太鼓の場合は,鼓面の直径よりも胴の直径は4~5寸小さい。
だから2尺の桶胴太鼓だと
実質は1尺6寸の長胴太鼓と同程度の大きさということになります。
値段で考えれば半額になって当然です。
 
実際は半額よりもさらに安いのですが,
耐久性やメンテナンス(桶胴はまめにロープを締め直さなければならない)
を考えるとどちらが安いかは微妙なところです。
 
いずれにしても,太鼓はとても高額であるとうことには替わりはないですね。
普通の楽器ならピンからキリまで様々な値段の代物がありますが,
太鼓の場合は「上」と「特上」しか無いんです。
 
最近は格安な中国製の和太鼓が流通しているが,
品質は値段相応ってとこでしょうか。 

(2007年2月19日)
                    →第22話 臼太鼓の誕生