第28話 シンプル イズ ベスト

第7章 太鼓曲の創作

第28話 シンプル イズ ベスト
 
さて,曲作りの話に戻りましょう。
最近はアマチュア太鼓奏者の技量が上がってきて,
プロ顔負けの奏法を披露する人も少なくありません。
ただ,「高度な打法」=「良い曲」とは限りませんよね。
よくありがちなのが,やたら高度な打法を駆使して,
やたら複雑な曲を作ってしまうということです。
 
見ている側からすると,演奏中は「わあ~凄いなあ~」と思うのですが,
終わったあとに曲が心に残らないんです。
まあ,それはそれで良いのかもしれませんが,
曲はアートなわけですから,
「良い曲だなあ~」と思われるような曲を作りたいですよね。
 
で,心に残る曲はというと,
案外,シンプルなリズムを繰り返す曲だったりするのです。
例えば三宅の基本リズムは10秒足らずです。
 
以前,鼓童に居たレナード衛藤という人(今はソリスト)が創作した
「族」や「彩」に至っては,中太鼓の基本リズムは3~4秒です。
それを何回も繰り返し打つことで
素晴らしい曲が出来上がっている訳で,まさに芸術品です。 

(2007年4月9日)
              →第29話 30秒のフレーズを作ろう